誰にも言っていない、言えていない関係。
バレたらどうなるのか、何を言われるのか。
少しのスリルと恐怖といえない関係が、少しだけもどかしい。


「サークラ、今日夕飯食べに行かない?」
「あ、ごめん、いの! 明日までに纏めなきゃいけないレポートがあるから今日は無理」
 パチン! と顔の前で手を合わせて謝れば、あー。と納得された。
「そっか、あれアンタだけ明日だったわね」
「そうなのよ。後少しだから帰ってさっさと書き上げたいの」
 ごめんね、と言えばいいよいいよ、と笑って返される。
いのに別れを告げ、急ぎ足で一人暮らしのアパートに帰れば灯りがついていたことに、まさかと思わず声を上げた。


 シークレット・シークレット


「美味しい……」
「そうだろう」
 目の前に出されたクリームシチューをもごもご食べれば、テーブルを挟んで正面に座る風影である我愛羅が微笑み頬杖をしていた。
悔しいけど美味しいし、なにより自分のために態々我愛羅が夕飯を作ってくれたのだと思えば、嬉しかった。

「今日来てたの知らなかったわ」
 ご馳走様でした。と両手を合わせ少し頭を下げた所で、先に夕飯を食べ終えた我愛羅に問う。 
「ああ、木の葉の近くを通ったからな、顔を出しておいたんだ」
「どうりで、綱手様からも何も聞いてないもの」
 食べ終えた我愛羅の器も流しに置き、水をつける。
手を洗って、温かいお茶を湯飲みに注ぎ我愛羅に差し出し、よいしょと腰を下ろした。

「じゃあ、滞在は短いんだ」
「明日の昼には木の葉を出る」
 短い滞在時間に、そっか。と呟き湯飲みの口を付けるサクラを見て、寂しいかとからかった。
「んな! わけないでしょう!」
 カッと顔を赤くしたサクラが、お風呂に入ってくる! と立ち上がるのを我愛羅は肩を揺らしながら見送った。



 ***



「サクラ」
「ちょ、っと……」

 風呂から上がり、ほかほかとする体温に上機嫌なサクラに促されるまま我愛羅も続けて風呂に入った。
その間にレポートを終わらせてしまうかと、テーブルに広げたのがいけなかった。

 レポートに集中しすぎて、風呂から上がった我愛羅の話を、うんうん。と軽く聞き流していたのがどうやら気に入らなかったらしい。
気がつけばレポートと対峙するサクラの背後に、我愛羅がいつの間にまわっていた。
さらりと落ちてくる髪が邪魔だったため緩く結んで、露にしていたうなじに我愛羅は何度も口づけをする。

 寝巻きの上から腹を撫でる我愛羅の手が、いやらしい。
腹を撫でていた左手が上り、サクラの少し小さめな胸を寝巻きの上から柔らかく揉む。
足を崩していたサクラの太股を右手の親指で、つーっと撫でていく。

「私、レポートがあるから……!」
「んー、続けていいぞ」
 一体どんなプレイだ! と頭の中で叫ぶが我愛羅の手は止まる事はない。
耳朶を優しく噛まれ、ふーっと吹きかけられれば、サクラは背中にゾクリと鳥肌を立てる。
持っていたペンを思わず握り締め、耐えるように奥歯を噛締めた。

「ん、ぅ……できる、わけ……!!」
 上半身を曲げ、思わず逃げようとするサクラの背に手を回した我愛羅は、パチンとブラのホックを取ってしまう。
ぎゃあ! と叫ぶサクラを他所に我愛羅の熱い右手がサクラの胸をやさしく刺激していく。

「ダメ、だってば……!」
 身体を這う我愛羅の手のひらを、熱くなった手で掴む。
上半身をテーブルに縫い付けられると、小ぶりの胸がテーブルに擦れて腰が震えた。
胸の刺激によって、少し浮いた腰を撫でられ、寝巻きのズボンに手が掛けられる。
しまった。と思ったが遅く、するりとズボンを膝まで下げられてしまった。

 じわりと濡れた白いショーツ。
ぷっくりと膨らんだそこに、我愛羅が人差し指で突けば思わず、あ! と声を出したサクラの腰が大きく跳ねた。
右手にペンを持ったままサクラは咄嗟に口元を両手で押さえる。
声を我慢しているサクラに気がついた我愛羅は、サクラの白い背中に何度も繰り返し唇を落としていく。

 惚れた相手に触れられ、身体にキスをされ疼かないわけがない。
ショーツの上から、突起を何度も突かれ、摩られ膣から、ぐじゅりと愛液が出てくる。

「凄く濡れてるぞ」
「う、るさい……!」
 奥歯を食いしばり、声を出さぬように耐えるサクラの姿に薄く笑い、体がゾクゾクと歓喜するのを我愛羅は理解する。

 ずらしたショーツの隙間から中指をぐにぐにと押し入れれば、サクラは背中を反らし目を見開いた。
「ぁっ、だめ……!」
 もう幾度と無く身体を重ねた我愛羅は、サクラの身体を熟知していた。
膣内のある一点、サクラが感じるそこを必要に摩ればサクラの体が、ビクビクと跳ねる。
中指と共に、人差し指もゆっくりと押し込めば耐えるようにテーブルの上に突っ伏した。

「こぇ、出ちゃうぅ……!」
 唇を噛締め声が出ぬようにサクラは必死で耐えた。

 壁が薄いアパート故、隣に暮らす住人の生活音が聞こえる事も多々あるのだ。
そんな中、喘ぎ声が聞こえてしまえば隣の住人と合わせる顔もなく、我愛羅と親密な関係でいる事がバレてしまう。
 顔を赤く染め、必死で耐えるサクラの心中など露知らず。
いい加減ばれてしまっても構わない、寧ろバレてしまった方が正々堂々と迎え入れることが出来るのだが、と我愛羅は思うのだ。

 人差し指と中指を動かせば、室内にぐちゅぐちゅと響く水音。
膨れた突起をやんわりと摩ったり、指で挟んだりすればサクラの腰がガクガクと揺れる。
サクラが感じる"イイ所"を引っ掻くように少しだけ強く刺激すると、目を見開いて上り詰めてしまう。

 大量の潮をまるで尿のように噴出してしまった。
吸収できなくなったショーツからダラダラと愛液が流れ落ち、サクラの太股を伝って濡らす。
ずるりと指を抜けば、そこはヒクリヒクリと我愛羅を誘っていた。

 はっ、はっ、と肩で呼吸をしテーブルに突っ伏して耐えるサクラに圧し掛かかり、サクラのうなじをべろりと舐める。
それにすらビクリと身体が反応するサクラに、我愛羅は自分の下唇を舐めた。

「サクラ」
「……ダメ、よ……」
 イったばかりのサクラは首を小さく振るが、指とは違う大きく熱いものが突起をぬるぬると撫でまわす。

「こんなに欲しがっているのにか?」
「だってっ、ん!」
 サクラの入り口を我愛羅が浅く出し入れする。
「イった、ばっかりいぃぃ……!!」
 少し待ってくれと懇願したサクラの願いも空しく、我愛羅はサクラの中に熱い質量を突き刺した。

「っ……!!」
 声にならぬ叫びを上げ、サクラは膣内を締め付け拳を握り締める。
挿れただけでイってしまったサクラの腰を強く掴み、容赦なく突きつければ、サクラは思わずボロリと零した涙と共に喉から声が出てしまった。

「ひ、ぁああ!!」

 じゅくじゅくと音を立てる熱い膣。
もっともっと、と我愛羅を欲しがり、子宮の入り口がキュンと震えた。
 サクラの肩甲骨に口を落とし、強く吸って痕をつける。
一際サクラが声を上げる場所を我愛羅は自身もので甘く刺激し、腰を動かし出し入れをする。

「あああ! ダメぇ……! そこやだぁ」
 泣きながら感じるサクラに言葉無く、奥までヌリリと突きつければ我愛羅のものをサクラの膣がぎゅうぎゅうと締め付ける。
「っ……!」
 締め付けに思わず、サクラの奥で我愛羅が吐き出せば、その熱い熱量にサクラはもう一度身体を震わせてイってしまった。

「ひっ……はぁ、はぁ」
 荒く呼吸をするサクラの中から、引き出せば白濁した体液がドロリと流れ落ちてくる。
「も、なかで……」
 恨めしそうにサクラが視線を向ければ、汗で額に張り付いた髪を撫で、我愛羅はサクラの額に口づけをする。

「気持ちよかっただろう」
「そうじゃない……」
 むすりとするサクラに、いっその事妊娠してしまえば問答無用で連れて帰れるのにな。と我愛羅は浅はかな事を思ってしまった。



「ああ……! レポート用紙ぐちゃぐちゃ……!」
「あ」
 皺になった用紙を見て叫んだサクラに、すまんと平謝りするしかなかった。



2015.我サク独り祭り
010.シークレット・シークレット