我愛羅×サクラ
学パロ




 ミーン、ミンミンミン……


 何処からともなく聞こえてくる蝉の声。
 首に掛けていたタオルで汗を拭う。


「我愛羅くん!」
 パタパタと聞こえた足音。
ぱたりと足音が止まったと思えば、名を呼ばれた。

「サクラ」

 フェンス越しに笑いながら軽く手を振っていたサクラに近づく。

「学校はもう終わったのか」
「うん、登校日だから午前で終わったの。我愛羅君は?」

 にこりと笑うサクラに申し訳ない気持ちが溢れた。
「す、すまない。生徒会が……」
「そっか、仕方ないわよ。だから謝らないでよ」

 笑顔で答えるサクラ。
 目の前のフェンスがもどかしいと思う。
触れたいけれど、触れることが出来ずに掌を握り締める。


「ねぇ、じゃぁ明日の夕方から時間ある?」
 探るような言い方。
何かあるのか。そう思い明日の予定を考えた。

「いいや、明日は昼で終わる」
 夏休みというのに、毎日のように学校に出てくる事に少し嫌気がさしていた。

「そう! じゃぁ、明日夏祭り行かない?」
「夏、祭り」

 両手を合わせながら問いかけてくるサクラに、もうそんな時期かと思う。

「みんなと、だけどね」
 アハハ笑うサクラに「楽しみだな」と言えば、くしゃりと顔を崩して笑った。
 
 その表情が、好きだと改めて思った。


「じゃ、じゃぁ、今日の夜詳しくメールするね! 時間とか待ち合わせ場所とか」
 その言葉にコクリと頷く。

「ああ、わかった」
 サンサンと照りつける太陽。
どこか遠くで名前を呼ばれた気がした。


「あ、ごめんね! 生徒会頑張ってね!」
 生徒の声に気がつき、慌てて走り出すサクラ。

 キラキラと輝く太陽の光がサクラの綺麗な髪を反射させていた。

「サクラ!」
 少し大きな声で名を呼べばくるりと振り返る。


「また、明日」

それだけ言うと、サクラは笑った。

「うん!」



 ミーンミンミンミン

 蝉の鳴き声は鳴り止まない。
 この体の暑さは、太陽の輝きだけじゃない気がした。






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我サクの高校生パロです。高二設定。
他校に通うので中々会えないという…

夏休み期間中は会えるかなーと楽しみにしていた二人だったけれど
我愛羅くんは生憎、生徒会長で。
……生徒会ってなにするの?

この後、サクラはテマリさんとお買い物。
いのとヒナタとテンテンも合流で女子会すればいいと思います。


出会いは、塾とか。
もしくはナルト経由で知り合うかです。はい。


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