学パロ。高2設定。




「暑いー」
 腕でパタパタと風を送る仕草をするが全く涼しくならない。
 いつもきっちりとシャツの第一ボタンまで留めている我愛羅も夏の蒸し暑さに第二ボタンまで空けていた。

「はい、お待たせしましたー」
 明るく元気に店員さんがコーンに入った二段アイスを差し出してくれた。
「ありがとうございます」
 笑顔で受け取り、近くのベンチに座り本を読んでいた我愛羅の下に小走りで近づく。

「お待たせー」
「いや、待ってない」
 サクラの言葉に読んでいた本を閉じ視線を上げる。
太陽の光が眩しくて少しだけ目を細めた。
 キラキラと光る桜色の髪が太陽に反射して眩しかった。

「行こうか」
 立ち上がった我愛羅に左手を伸ばすサクラ。
軽く力を込め、伸ばされた左手を握った我愛羅はサクラを見る。

「溶けてる」
「え」
 嬉しそうにアイスを食べていたサクラは我愛羅の言葉にアイスから口を離す。
 その瞬間、目の前が薄暗くなったと思えば左手は我愛羅にしっかりと握り締められ、
アイスを持っていた右手は手首をつかまれていた。

「ん、んんん……っ!」
 ベロリと下唇を舐められたかと思えば、口内に入り込んでくる生暖かい感触。

 ベシャッと聞こえたのは二段アイスの食べかけの上段が地面に落ちた音。


 ミンミンミンミン。
 遠くで聞こえる蝉の鳴き声が頭の中に響き渡る。
 サクラはギュッと瞼を閉じた。


「甘い」
 もう一度、サクラの下唇を舐めた我愛羅の言葉。
「もー……突然どうしたのよ」

 頬を真っ赤に染めながら我愛羅に問うサクラ。
「したくなったから、しただけだ」
 握り合っている掌が互いに熱くなるのに気が付いていた。


 遠くで聞こえる蝉の鳴き声。
アスファルトに落ち、溶けたアイスだけが残っていた。



_____________________

ガンガン攻める我愛羅もいいよね。
と思って書いてみました。

世間知らずな我愛羅もいいですけど。
我愛羅とサクラが一緒いれば嬉しい限りです。


H25.7.6.blog.掲載
H25.8.20.サイト掲載