雨をテーマにパロで我サクを書いてみた。


 学級委員というのは名ばかりの雑用だ。
 資料作成を終わらせ、職員室に資料を持っていけば担任であるバキは不在。
 人に作業をさせるだけさせて一体何処に行ったのか。

 教師の少ない職員室。

 窓の外を見れば土砂降りの雨に溜息を吐いた。

 ガラリ

「失礼します。あれ、我愛羅君も居残り?」
 両手に資料の山を持っていたのは隣のクラスの学級委員。春野サクラ。
「ああ、サクラもか」
「うん、カカシ先生に頼まれちゃって。……肝心のカカシ先生は居ないようだけど」
 バキの隣の机。
 サクラの担任であるカカシの机に、ボンと資料を置くサクラを見た。

「本当、人に頼むだけ頼んでおいて何処に行ったのかしら、もう!」
 腰に手を当て鼻息荒く文句を言うサクラに少しだけ笑ってしまった。

「あ、我愛羅君もう帰り?」
「ああ。もう用事は済んだ。雨も強くなってきてるし帰ろうと思う」
「そうなんだー。私、日誌を書くのを忘れてたからまだ帰れないのよ」
 はぁーと大きな溜息を吐き項垂れる。
「じゃぁ、また明日ね! 我愛羅君」
 一方的に会話を切り上げ手を振り職員室を出て行くサクラに軽く右手を上げた。


 帰り支度をし、下駄箱まで足を進める。
 ザアアアと聞こえる雨の音は強さを増していく。

 傘を持ち、空を見上げる。
 何となく。
 本当に何となく、待ってみた。


「我愛羅君?」
 確認するような声色で名を呼ばれた。
 振り返れば不思議そうな表情でこちらを見てくるのが分かる。

「……帰るぞ」
「え、もしかして待っててくれたの」
 サクラの質問には答えずに傘を開いて歩き出す。

「ちょっと、待ってよ我愛羅君!」
 慌てて靴を履き替え後を追ってくる気配。
 靴を濡らしながらスタスタと歩けば、少し息を切らして隣に並ぶサクラの姿。

「ふふ」
「……なんだ」
 クスクスと笑うサクラ。
 花柄の傘がよく似合っていた。
「なんでもないよ」
「そうか」

 傘に当たる雨の音。
 何となく、心地良くて穏やかな空気。

 これと言った会話は特に無かったが、この空間を大切にしたいと思った。



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我サク、学パロ
隣のクラス同士で同じ学級委員。

この設定で、体育祭とか文化祭とか何気に競い合ってればいい。




blog掲載H25.8.31