シャッと音を立てカーテンを開け、入ってくる陽の光に目を細めた。

「うーん、いい天気ー」
 ぐーっと腕を伸ばし、背後のベットがもぞりと動く気配にくるりと振り返る。
 くすりと微笑んだサクラ。

「もー。我愛羅君、何時まで寝てるの。もうお昼過ぎたわよ」
 布団の中に潜り込んでしまった我愛羅に近づき声をかける。

 我愛羅と一緒に暮らすことになって分かったこと。
 朝が苦手だという事。
 寝る前には必ずキスをくれ、共に街に出るときは必ず手を繋いでくれる。
 意外と心配性な事も、子供が好きな事も。
 甘いものが好きな事も。
 全部、我愛羅と共に過ごす事になって知った事だ。

 惜しげもなく、溢れんばかりの愛情を注いでくれる事に喜びと幸せを感じるのだ。

「我愛羅君、今日は一緒に出掛けるって言ってたじゃない」
 布団の中に居る我愛羅に腕を伸ばした。
「きゃっ!」
 突然腕を引かれ思わず声を上げるサクラ。

「サクラ」
 ベッドの中で抱きしめられ、額と頬に唇を落とされる。
「今日は久々の休みだ。ゆっくりしよう」
 ギューっと音がするぐらいサクラを抱きしめる我愛羅。
「今日外には行かないの?」
「……行く」
 久々に共に外出するのだと言い出したのは我愛羅だ。

 我愛羅の髪を撫で、頬に触れてサクラは笑う。
「おはよう、我愛羅君」
「おはよう、サクラ」

 二人で柔らかく笑い合う。 
 部屋の中を午後の穏やかな日差しが包んでいた。



04.おはよう




H25.7.26